「同一労働同一賃金」が間もなくスタート!将来を考察

今回は4月からスタートする「同一労働同一賃金」から、将来の労働環境を考察をしてみました。Business研究所では転職とビジネスに関するテーマを配信していますが、今回はまさに芯を食ったテーマです。

  • 同一労働同一賃金とは
  • 世界の同一労働同一賃金を比較
  • 同一労働同一賃金によって起こる将来予想

このあたりに関し、関心がある方はご一読ください。

概況

同一労働同一賃金とは、別名「パートタイム・有期雇用労働法」と呼ばれ、2020年4月から施行されます。大枠の概念は「非正社員と正社員との間にある、待遇格差をなくしましょう」というものです。

引用 : 総務省統計局 労働力調査より抜「非正規社員」抜粋
引用 : 総務省統計局 労働力調査より抜「正規社員」抜粋

グラフのように正規社員数はほぼ横ばいなのに対し、非正規社員の数が上昇し続けています。原因は3点あります。

  • 将来不安から企業側が正規雇用にリスクを感じている
  • 派遣法改正に伴い、派遣労働の対象範囲が拡大している
  • 65歳以上の高齢者が非正規社員として雇用される(再雇用?)

上記のことから、これからも少子高齢化が進む中で、構造的にこれからも非正規雇用は拡大すると予想されます。そこで非正規雇用社員が不当な待遇を受けないよう、「同じ労働であれば等しく同じ賃金を支払うべき」という目的です。なので平たく言えば、同一労働同一賃金とは、これから拡大するであろう非正規雇用社員を守る為の法律です。

欧州の同一労働同一賃金

「同一労働同一賃金」は欧州では100年以上進んでいます。1919年、欧州では第一次世界大戦で男性の労働力が減少しており、女性の労働力が必要な状態でした。それまでは男性の賃金に比べて女性の賃金は半分程度だったそうです。そこで男女による賃金格差是正のためにヴェルサイユ条約によって欧州では同一労働同一賃金がスタートしました。

それから第二次世界大戦後、制度が進化していき、どちらかというと「性別」というより「宗教」「人種」などに対する待遇格差も是正していこうという動きになり、現在に至っています。欧州では労働内容によって賃金は明確に定められているそうです。

そういった意味では、日本の「雇用形態」における格差是正というシステムはどこまで浸透するかは不透明な部分もあります。

同一労働同一賃金で起こる将来を考察

同一労働同一賃金が浸透するには簡単なことではありません。経営者が労働者に対しそれまで以上に待遇をコミットしなくてはならないからです。なので時間はかかると思いますが、同一労働同一賃金が日本で浸透するとどうなるのか、考察しました。

  • 正規雇用者の待遇が悪くなる
  • 非正規雇用が減少する
  • 「総合職」が不要になる

一つずつ解説していきます。

正規雇用者の待遇が悪くなる

同一労働同一賃金といっても、企業人件費は拡大するわけではありません。非正規雇用者への待遇を良くする以上に、正規雇用者の待遇を悪くする動きが加速するとみられます。法律は「非正規雇用の待遇を改善する」という名目ですが、人件費を拡大できない以上、現実は「正規雇用者を非正規雇用者の待遇に寄せて悪くする」のが主流でしょう。

非正規雇用者が減少する

非正規雇用者の待遇を改善するということは、会社が一人当たりに支払うコストが拡大することになります。例えば、1億円の人件費を200人で分配されていたものが、非正規社員の待遇を改善するのであれば、同じ1億円で分配できる社員数を減らす動きが強まるでしょう。

「総合職」が不要になる

いま、大手の企業では総合職が正規雇用の主流です。正規雇用の社員はジョブローテをしながら部署の課題解決に対しコミットし昇格していきます。同一労働同一賃金になれば、職能に対し明確に賃金が決まります。同じ賃金であれば正規・非正規関係なく高いパフォーマンスができる社員が登用されていくでしょう。そうなれば「広く浅く」の業務経験を持つ社員はマネージメントクラス以外不要です。企業はごく少数のマネージャーと多数の専門職によって構成されていくでしょう。

業務が専門化されていけば、突き詰めたところ職務内容がタスク化され、将来的にはコンサルティングファームのようになるかもしれません。つまり、業務ごとに専門職が集められ、プロジェクト単位で業務を遂行していくようなイメージです。

同一労働同一賃金の浸透スピードは遅い

同一労働同一賃金には、罰則規定はありません。身も蓋もないですが、上記のレベルにまで浸透していくのは先のことでしょう。しかし、「正規雇用の待遇悪化」「非正規雇用の人数減少」「業務の専門化」の流れは進んでいくとみられます。グローバル化が進めば、欧州の例でも挙げたように、同一労働同一賃金はスタンダードになっていくからです。

会社にコミットしようとしない

ここでお伝えしたいのは、今後は一つの会社にとどまり続けてコミットをしてもビジネスマンとしての価値は上がらないだろう、ということです。当然、評価が上がらなければ待遇も上がりません。同一労働同一賃金は職能に対して待遇を守るということで、反対にいえば会社に対するエンゲージメントを高めても評価はしない、ということです。

これから同一労働同一賃金が浸透する中で、何度も本サイトでお伝えしているように「個人のスキルアップ」をすることがこれからますます重要となりそうです。

投稿者: Koseki Kano

東京都中野区在住。35歳。 化粧品メーカーに新卒で入社(10年間)。 営業企画・販売企画・健康食品事業立ち上げを経て、米系マーケテイング会社に 転職。アカウントマネージャー兼アナリストして主に消費財メーカーに対しマーケティング提案、年間120社(2年半)。 現在GAFAの1つに転職し、webマーケティング施策を企画。 セールス、データ分析、マーケティングの掛け算のキャリア 自身の経験を基に電話/メールによるキャリア相談、履歴書添削を通じ中長的にサポート。 休日は25年間続けているバスケットボール、そしてバスケ強化のため(今はこちらの方が主になっている気も・・)筋トレが趣味。

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